都市ガスと天然ガスの違いは?混同されやすいプロパンガスとの違いもまとめて解説

更新日:2026年9月18日
都市ガスと天然ガスの違いのイメージ

都市ガスと天然ガスは似た言葉として使われることが多く、違いがよく分からないと感じている方もいるでしょう。また、プロパンガスとの違いまで含めると、それぞれの特徴を正しく理解するのは簡単ではありません。本記事では、都市ガス・天然ガス・プロパンガスの違いをわかりやすく整理し、料金や安全性、利用時の注意点などについて解説します。

この記事でわかること/解決できること

  • 戸建または分譲マンションに住むファミリー層の世帯主
  • 新居への入居や住み替えをきっかけに、都市ガス契約を検討している人
  • 光熱費の見直しや生活サービスの一括管理をしたい人
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目次

都市ガスと天然ガスはなにが違う?

都市ガスは燃料製品の名称であり、天然ガスは都市ガスの原料となる天然資源を指します。

都市ガスとは

都市ガスとは、道路の下に整備されたガス導管を通じて各家庭や施設へ供給されるガスのことです。主な原料には液化天然ガス(LNG)が使用されており、メタンを中心とした成分で構成されています。

輸入された天然ガスは、利用しやすいよう成分の調整や臭い付けなどの処理が施されたうえで供給されるため、安全に使用できます。また、ガス導管が整備された地域では継続的に供給されるため、安定したエネルギー源として広く利用されています。

天然ガスとは

天然ガスは、太古の動植物が地下深くで長年月をかけて変成して生成された、メタンを主成分とする可燃性の天然資源です。石油や石炭などの他の化石燃料と比較して、燃焼時の二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物の排出量が少なく、環境負荷の低いクリーンなエネルギーとして世界中で広く活用されています。

海外の主要なガス田から掘削・採取されたのち、マイナス162℃まで冷却して液化された「LNG(液化天然ガス)」の形態で、大型専用船により日本へ輸入されています。

混同されやすい都市ガス(天然ガス)とプロパンガス(LPG)の違い

都市ガス(天然ガス)とプロパンガス(LPG)は同じガス燃料ですが、原料や供給方法、性質に明確な違いが存在します。両者は利用上の特徴や熱量も異なるため、それぞれの相違点を正しく理解することが大切です。

原料と供給方法

都市ガスは液化天然ガス(LNG)を主原料としており、地下に整備されたガス導管を通じて各家庭へ供給されます。そのため、一度インフラが整備されれば継続的にガスを利用できます。

一方、プロパンガスは液化石油ガス(LPG)を原料とし、事業者が配送したガスボンベを各家庭に設置して供給します。このように、両者は使用する原料だけでなく、家庭へガスを届ける仕組みにも大きな違いがあります。

発熱量(火力)と重さ

都市ガスは空気より軽いため、万が一漏洩した場合でも上方に拡散しやすい性質を持ちます。対してプロパンガスは空気より重く、床面に滞留しやすい特性が存在します。また、発熱量はプロパンガスが都市ガスの約2.2倍と高いため、強火を好むお客さまから支持されています。両者の重量や熱量の違いは、安全対策や器具選定において重要な要素となります。

※参考:日本のエネルギー 2023-2024 (第1部第2章第3節 LPガス産業の現状)|経済産業省 資源エネルギー庁:

都市ガス(天然ガス)のメリット

都市ガス(天然ガス)を利用することには、家計や環境面において多くのメリットが存在します。主なメリットを4点紹介します。

料金が安く安定している

都市ガスは、一般的にプロパンガスよりも基本料金や従量料金が安く設定されています。原料となる天然ガスの価格変動の影響は受けるものの、導管網を利用して効率的に供給されるため、料金が急激に変動しにくい傾向があります。そのため、ガス使用量が多い家庭では光熱費を抑えやすく、長期的なコスト管理もしやすいです。

環境負荷が少ない

都市ガスの主原料である天然ガスは、燃焼時に発生する二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)の量がほかの化石燃料に比べて少ない特長があります。また、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減に貢献できるため、環境に優しいクリーンなエネルギーとして高く評価されています。

安全性が高い

都市ガスの主成分であるメタンは空気よりも軽いため、万が一漏洩した場合でも上方に拡散しやすい性質を持っています。ガスが床面に滞留しにくいため、充満による爆発事故のリスクが低い点が特徴です。さらに、ガス導管や供給設備には、ガス漏れを検知する装置や緊急時に供給を停止する仕組みなど、さまざまな安全対策が講じられています。

ガスの補充が不要である

都市ガスは道路の下に張り巡らされた導管を通じて各家庭や施設へ継続的に供給されます。 そのため、プロパンガスのボンベのように定期的な交換作業や補充の必要がありません。ガス切れを起こす心配がなく、常時安定した状態で器具を使用できます。

都市ガス(天然ガス)の注意点

都市ガス(天然ガス)には多くのメリットがある反面、利用前に把握しておくべき注意点も存在します。導入を検討する際は、以下の4点に留意することが重要です。

地震などの災害時に復旧まで時間がかかる場合がある

地震をはじめとする大規模な自然災害が発生した際、都市ガスは復旧までに時間を要する傾向があります。道路の下に整備されたガス導管について、安全性確認や補修作業を、広範囲にわたって行う必要があるためです。供給の中断が長期化する可能性を想定し、万が一の非常時に備えて卓上カセットコンロなどの代替調理器具をあらかじめ準備しておく対応が有効となります。

導管が引き込まれていない地域では使えない

都市ガスを利用するには、住まいの周辺道路にガス導管が敷設されている必要があります。導管網が整備されていない地域や郊外では都市ガスを利用できない場合があります。そのため、事前に所有している物件の周辺エリアへ都市ガス導管が引き込まれているか確認する必要があります。

火力がやや低い

都市ガスはプロパンガスと比較した場合、単位体積(1m³)あたりの発熱量が約半分程度です。そのため、プロパンガスと同等の火力を得るために、機器側で約2倍のガス量を噴射・燃焼させる構造になっています。なお、家庭用コンロにおいては都市ガス用・プロパンガス用それぞれ適切な火力が得られるよう設計されているため、実際の調理において火力が不十分になる心配は基本的にありません。

※参考:産業保安グループ ガス安全ガイド|経済産業省

不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクがある

都市ガスを使用する際、換気不足の状態で調理器具などを使い続けると酸素が欠乏し、不完全燃焼を起こすリスクがあります。不完全燃焼が発生すると、無色無臭の有毒な一酸化炭素(CO)が発生するため大変危険です。そのため、屋内でガス機器を利用する際は、必ず換気扇を回して十分な空気入れ替えをおこなう必要があります。

※参考:一酸化炭素中毒事故の防止について|厚生労働省

引っ越し・導入時に気をつけるべき注意点

新居への引っ越しやガスの種類を変更する際は、事前確認や適切な手続きが必要となります。トラブルを未然に防ぐために、確認しておくべき重要なポイントを整理しました。

ガス機器の対応種別を確認する

都市ガスとプロパンガスではガスの性質や熱量が異なるため、使用できるガス機器の規格が限定されます。適合しない機器を使用すると不完全燃焼や火災の原因となるため大変危険です。機器本体に貼られたラベルを確認し、引っ越し先のガス種別(12A・13Aなど)に対応しているか事前に把握しておきましょう。

プロパンガスから都市ガスへの切り替え工事費用を確認する

プロパンガスから都市ガスへ変更する際は、道路下の導管から敷地内へガス管を引き込む工事が必要となります。工事費用は敷地条件や配管の長さによって異なり、原則として所有者の自己負担となります。切り替えを検討する際は、あらかじめ複数の専門業者から見積もりを取得して費用の詳細を把握しておくと安心です。

警報器の設置位置の違いを確認する

ガス漏れ警報器の設置位置は、ガスの比重によって異なります。空気より軽い都市ガスの警報器は、天井から30cm以内の高い場所に設置します。一方、空気より重いプロパンガスの警報器は、床面から30cm以内の低い位置に設置する必要があります。そのため、ガスの種類を変更する際は、警報器の設置位置も必ず見直す必要があります。

※参考:ガス警報器、正しい設置場所はどこ?|大阪ガス

まとめ

都市ガスと天然ガスは混同されやすいものの、天然ガスは地下から採取される天然資源、都市ガスはその天然ガスを原料として各家庭へ供給されるエネルギーを指します。また、プロパンガスとは原料や供給方法、発熱量などに違いがあり、それぞれに異なる特徴があります。

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